RYU'S KITCHENは音楽と映画のレビューの紹介をしているサイトです。

映画レビュー SPECIAL

このページのレビュー済み作品

エクソシスト[’73/米/121分]

言わずと知れた、オカルト映画の枠を超えたエネルギーあふれた力強い大傑作。俳優の驚く演技に不満なフリードキン監督が、近くで発砲したり、真夏の撮影現場に大型クーラーを難題も設置し、出演者の白く吐く息をガチンコで吐かせたり、演技素人の神父役の本物の神父にNGを出すこと50回数回、あげくに殴り倒し涙目の神父をカメラに収め、そのシーンを実際に映画に使ったり・・・。狂った監督が現場に持ち込んだ邪悪なパワーと、当時の不安定な社会情勢がMIXされてこの奇跡的に美しくも下品で最高にクールな映画が産み落とされた。・・・とにかく圧倒。

キル・ビル Vol.1KILL BILL VOL.1

「タラ、東映入社!」行きました、公開初日。行かなかった香具師いるの?ナゼ?千葉ちゃんとリュウ・チャー・フィー(少林寺三十六房)と宇宙刑事ギャバン(バトルケニア)と栗山千明とチャーリーズ・エンジェルが血みどろの戦いを繰り広げるのにナゼ?・・・ごめん千葉ちゃんとギャバンは戦いません。

70年代東映仁侠映画とショウブラザーズ香港カンフー映画に、マカロニウエスタン、そして日本が世界に誇るVシネマ・・・これらを血肉にして生きてきた私にとってこの作品は、生涯の永遠のベスト1になった。とくかく血の量が半端でなく景気よく飛ぶ飛ぶ。手と足もポンポン飛びまくるこの作品、改めて日本刀の美しさと怖さが十二分に伝わる。首も飛びますが、なにか?強烈なタラちゃんの東映とブルース・リーに対するリスペクトの気構えが、ヒシヒシと伝わる。ユマ・サーマン対リューシー・リューのサシ対決時の震えるような鳥肌モンの間合いと気合に、男泣き必至!!梶芽衣子任侠歌謡がアメリカ人に大音量でぶちかましったって時点で、溜飲が下がる。

日本というのはカッコ良くて美しい国。素晴らしい文化と裏社会の汚れたコントラスト、これにナゼ外国人が憧れるのか。その答えがこの映画にはある。白いのも黒いのも真似したい、しかし根底では日本人しか持ち得ないもの「ワビ・サビ・任侠」。現実に待ちえている日本人は数少ないだろうが、この映画を観終わって「よし、タラに憧れられる日本人にならねば」の意識に捉われ、ある種これからの人格形成に多大な影響を与えてくることだろう。もはや政府が本腰を入れて取り組むべき問題で、これからの日本社会の発展のためにも小学生にも観て貰いましょう、てゆ〜か観ろ。 タランティーノがそっと耳打ちしてくれた。「お前ら日本人でいいなぁ、俺なんかアメリカ人だよ、ったく」おい!タラ!サントラに「三十六房」入れやがれってんだ!

ブレイド2[2002/米/118分]

とにかく、いちいちポーズ!落ちている武器を拾う時も、それが小さなナイフだろうが、長いソードだろうが、それをくるくる回して手元に収めなければ気が済まない。そうする事が最高にクールだと思い込んでしまっている、黒い中学生(@ギンティ小林)ことウェズリー・スナイプス。おそらく、風呂に入っている時も人知れずシャンプーやリンスのボトルを、キメ・ポーズで使用しているのだろうか・・・。こたつでおばあちゃんとお茶を飲んでいるときも、茶筒をクルクル回し、シャキーン!!とキメているブレイドさんが目に浮かぶ。綿入れハンテンを着ながら・・・。

・・・内容的には前作を上回るゴアな描写がエグイ。(さすがメキシコ人監督)アクションシーンもドニー・イェン先生が力を入れただけあって、かなりの迫力。とにかく前作を観た人のために(?)、イントロなしのいきなりサビ!!しかもツーバス、ドコドコでラストまで一気に観せるスピーディな展開はテンポ良く2時間弱はあっという間。ちなみにウェズリー・スナイプスはプレステーションのヘビー・ユーザーかと・・・。とくに「バイオハザード2」(ゲームの方)を明らかにパクった部分がみうけられ、さすがは黒い中学生。 PS・ブレイド登場時の心の叫び「俺のグラサン、カッコいいだろ!!」、敵に捕まり武器その他身包みはがされ「グラサン・・・どこ?」(涙目)、武器を手に入れ敵に反撃「グラサン返せ〜〜!!

燃えよドラゴン[’73/米・香港/100分]

全てのアクション映画は「この作品以前・以後」に分けられるほど、強力なエネルギーを持った作品。1分でもアクション・シーンが入った映画は、この映画の影響下にあると言っても過言ではないでしょう。「ブルース・リー、最初で最後のハリウッド作品」と一言で片付けられる事が多いが、彼がアメリカ社会から見ればマイノリティである中国人であったという事が重要。それまでハリウッド・メジャーでは「白人の白人による白人のための映画」しかなかったが、この映画が全てを変えた。白人主演でなくとも内容によっては、白人を含めた全ての観客を熱狂させられることに映画会社は気付いたのです。この映画がなければ、J・チェンやJ・リーはもちろん、黒人俳優であるモーガン・フリーマンやサミュエル・L・ジャクソン、東洋西洋様々な血の入ったキアヌ・リーブスらの、主演作品はなっかたと言えます。ユダヤ系のスピルバーグですらマイノリティであるがゆえに、仕事をほされていた時期もありますし・・・。インディ・ジョーンズもバック・トゥー・ザ・フューチャーもマトリックスもこの作品無しではこの世に無かった訳で・・・。まぁ、かなり強引ですが。

世界中の映画屋さんに「アメリカ人やヨーロッパ系でなくとも、ハリウッドで主役もしくは製作できるんだ!」と勇気と希望を与えた神の作品と言えるでしょう。知野次郎氏(カンフー・マスター・ライター)もこう言ってます。「燃えよドラゴンを見続けていく事は、僕たちのプライドなのだ。」と・・・。

燃える昆虫軍[’75/米/100分]

頭のいいゴキブリ軍団が人間を襲い始め、アメリカの片田舎を恐怖のドン底に落とし入れる、笑いと涙の現代文明批判を織り込んだパニック映画!(ほんとかよ!)自ら意思を持ち身体を発火させ人を襲う虫軍団。部屋はモチロン、車のマフラーやエンジンに入り込み集団で悪さをするゴキちゃん。だが、主人公の奥さんに対しては1対1のガチンコ勝負を挑み、見事勝利!頭髪がボーボー燃えている非常事態に、数分間も気付かず家事をテキパキこなしたのが敗因か?しかし、大量のゴキちゃんが何故発火させながら、人を襲うようになったのか・・・?その答えは虫代表の方々が人文字ならぬ虫文字で答えてくれました。「WE LIVE」・・・。(分かんねえよ。)

[←Home] | [↑このページの上へ]